麻酔薬使用下での内視鏡検査とは
以前胃カメラを受けたことがある方の中には、苦しかったと思われた方や頻繁な嘔吐反射がおこり辛い思いをしたという方も少なくありません。そのような方にお勧めするのが「麻酔薬使用下での内視鏡検査」です。
この方法は、静脈から麻酔(鎮静剤)を投与し、眠ったままの状態で検査が受けられます。そのため緊張を和らげるだけでなく、嘔吐反射もありませんので、苦痛なく検査を受けることが出来ます。経鼻内視鏡検査が適応できなかった方や初めて検査を受けられる方にもお勧めです。
また当院では、脈拍、血圧など全身状態を確認しながら検査を行っており、安全面にも細心の注意を払っております。
麻酔薬使用下での内視鏡検査の注意点
検査終了後は、麻酔の効果でぼーっとした状態が続き、ふらついたり、視力低下、眠気、一時的な物忘れなどが見られます。そのため、麻酔が覚めるまで30~60分ほど院内でお休みいただきます。通常の検査に比べて所要時間が多くかかりますので、予め時間に余裕をもってご来院してください。
麻酔を活用するメリット
嘔吐反射を抑えた苦痛の少ない検査が可能です
のどの奥に内視鏡のスコープが触れることでオエッとなることを嘔吐反射と言います。これが原因で胃カメラを苦手とする方も少なくありません。麻酔を使用することで、眠った状態になるため、嘔吐反射に気づかず検査が受けられます。
消化管壁が伸び、より正確に検査を受けられます
麻酔の影響により、緊張が取れ全身がリラックスした状態になっております。そのため消化管の運動も抑制し、医師も十分に胃の中を観察できるようになりますので、短時間でより正確な検査が可能です。
眠ったまま検査が受けられます
眠った状態で検査が受けられるので、患者様はほとんど苦痛なく検査を終えられます。また麻酔の効き方には個人差がありますので、患者様の様態に合わせて麻酔の量も調整します。
麻酔を使用するデメリット
検査後はお車やバイク等の運転はできません
麻酔の影響により、検査後はしばらくぼーっとした状態が続きます。そのため、安全性を考慮し当日のお車やバイク、自転車等の乗り物は厳禁です。また、ご来院される際は公共交通機関を利用するか、ご家族の方に送迎をお願いしてください。
ご帰宅時に付き添いの方が必要になることがあります
ご高齢の方の場合、検査後にふらつきや血圧低下等の症状が強く出る場合もございます。そのため、ご帰宅時の安全性を考慮し、麻酔薬使用下での内視鏡検査を受けられる方はご家族の方などの同伴をお願いしております。
検査後に吐き気を催すことがあります
麻酔の副作用で吐き気やめまいが生ずることがあります。検査後は十分に麻酔が覚めるまで院内でお休みいただいておりますが、ご帰宅後に不調がありましたらご連絡ください。
こんな方にお勧めです
- 初めて内視鏡検査を受ける
- 胃カメラで辛い思いをした・トラウマがある
- 健診やドックで「要精密検査」と指摘を受けた
- 鼻腔が狭く経鼻内視鏡検査が適応できなかった
- アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの鼻の病気がある
- 経鼻内視鏡検査でも苦しかった・痛かった
- 喉の観察もしてほしい